「今日は疲れた。運動したほうがいいのは分かっている。でも、着替える気力すらない」
仕事やデスクワークを終えた30代には、そんな日もあります。
この記事で扱うのは、病気や強い体調不良による疲労ではなく、仕事後に「体が重い」「運動する気力が湧かない」と感じるケースです。
そんな日は、「運動するか、しないか」の二択にする必要はありません。まずは30秒〜1分だけ、軽く体を動かしてみる方法があります。
ここでいう「1分」は、特別な健康効果がある時間という意味ではありません。運動を始めるための最小単位として設定しています。1分動いたあと、続けられそうなら数分延長し、疲れが強ければそこで休んで構いません。
この記事では、疲れている日に無理なく始められる1分の動きと、その後の判断、習慣にする方法を紹介します。
この記事の「1分だけ動く」とは?
- 目的:運動量を確保することではなく、運動を始めるハードルを下げる
- 時間:30秒〜1分から始める
- 運動:スクワット、足踏み、かかと上げなど
- その後:続けても、1分で終了してもよい
- 注意:発熱、胸の痛み、息苦しさ、強い痛みなどがある場合は運動しない
疲れている日は「運動する」ではなく「1分だけ動く」
疲れている日に大切なのは、運動をやり切ることではなく、始めてみることです。
「30分走る」「本格的に筋トレする」ことを目指す必要はありません。
5分が難しければ3分、3分が難しければ1分、それも難しければ30秒。
このように、始めるハードルを、自分の疲労度に合わせて下げてもかまいません。
ここで誤解してほしくないのは、「1分の運動で疲労がすべて解消する」という話ではないという点です。
体を動かすことで、筋肉や呼吸、姿勢といった身体感覚に変化が生まれ、座りっぱなしだった状態から一度抜け出すきっかけになる。
そこから、気分や頭の感覚に変化を感じる人もいれば、そのまま休むという判断に至る人もいます。
「1分動けば必ず楽になる」のではなく、「1分なら、疲れている日でも始めやすい」という位置づけで捉えてください。
1分でできる運動メニュー
どれか一つを選んでもいいですし、その日の気分で変えても構いません。
スロースクワット
足を肩幅に開き、5秒かけて腰を落とし、5秒かけて戻します。
ゆっくり動くこと自体が、姿勢や筋肉への意識を切り替えるきっかけになります。
その場で足踏み
その場で足踏みするだけの、もっとも単純な方法です。
軽く腕を振りながら行うと、上半身の動きも加わります。
かかとの上げ下げ
立った状態で、かかとを上げ下げするだけの動きです。
デスクの横でも、キッチンでも、場所を選ばずにできます。
軽いストレッチ
両手を頭上に伸ばし、つま先立ちで全身を伸ばします。
呼吸を深くしながら行うと、詰まった感覚が少し和らぐ人もいます。
いずれも、「筋肉を鍛える」ためではなく、「今の身体の状態から、少しだけ動いた状態へ移る」ためのメニューです。
短時間の運動で気分や認知機能に変化が起こることもある
短時間の運動でも、気分や認知機能に一時的な変化が生じる可能性があります。
2025年に発表された急性運動に関するメタレビューでは、30件のシステマティックレビュー、18,347人を対象に、1回の運動が認知機能に与える影響が検討されました。全体として、急性運動後には認知機能に小~中程度の改善が報告されています。(*2)
ただし、ここで注意したいのは、この研究が「1分間の運動で疲労が改善する」ことを証明したものではないという点です。
運動の種類や時間、対象者によって結果は異なります。また、今回紹介している「1分」という時間設定そのものに特別な生理学的効果があるわけではありません。
この記事で1分をすすめる理由は、疲れている日に運動を始めるためのハードルを下げることです。
「1分やった後」に続けるか、やめるか
1分動いたあとどうするかは、その日の状態次第で決めて構いません。
- まだ疲れが強い → そこで終了して、休むことを優先する
- 少し動けそうな感覚がある → もう1〜2分だけ続けてみる
- 気分に変化を感じた → 散歩や、もう少し長めの運動に移ってもいい
- 強い疲労が残っている → 無理に続けず、体を休める
ここで大切なのは、「1分やったら、必ずもっと運動しなければならない」という新しいルールを、自分に課さないことです。
1分だけで終わっても、それは失敗ではありません。
もし1分なら無理なく動けるようになり、もう少し体を動かせそうな日は、帰宅後に動けないときの3分ルーティンに広げる方法もあります。
なお、発熱や胸の痛み、息苦しさ、強い痛みなど、明らかな体調不良がある場合は、1分運動を試すのではなく休養を優先してください。
疲労感が長く続く場合や日常生活に支障がある場合は、医療機関への相談も検討しましょう。
1分を習慣にする方法
1分の運動を続けやすくするには、「思い出したらやる」ではなく、すでにある行動に紐づけておく方法が役立ちます。
- 帰宅して靴を脱いだら
- 着替える前に
- お風呂のお湯を溜めている間に
- 歯を磨く前に
- パソコンを閉じたあとに
こうした、毎日必ず行う行動の直前・直後に1分の運動を組み込んでおくと、「今日はやるかどうか」を毎回考える必要がなくなります。
この「決まった行動の前後に新しい習慣を挟む」という考え方は、行動を習慣化するための一般的な工夫の一つとして知られています。
私自身、帰宅後の虚脱感に悩んでいた時期に、「靴を脱いだらスクワット10回」というルールだけを3週間続けたことがあります。
疲労そのものが消えたわけではありませんが、「動けない自分」を責める頻度は減った、というのが実感です。
また、帰宅後に体を動かすことを、運動だけでなく「仕事モードから切り替えるきっかけ」として使う方法もあります。仕事が終わっても頭が切り替わらない人は、「スクワットを切り替えのきっかけにする方法」も参考にしてください。
疲れている日の運動についてよくある質問
Q. 疲れて運動できないときはどうする?
必ず運動しなければならないわけではありません。
発熱、胸の痛み、息苦しさ、強い痛みなどがある場合は、運動より休養や医療機関への相談を優先してください。
そうした症状がなく、仕事後に体が重い、運動する気力が湧かないという状態であれば、まず30秒〜1分程度の軽い動きを試す方法があります。
Q. 疲れているときは運動しないほうがいい?
疲労の原因や程度によります。
強い体調不良がある場合は、無理に運動するべきではありません。一方、単に仕事後で体が重い、運動を始める気力が湧かないという状態なら、軽い動きを試してから、その後も続けるか休むかを判断する方法があります。
Q. 1分だけ運動しても意味がある?
1分という時間そのものに、特別な健康効果があるわけではありません。
この記事では、1分を「運動を始めるための最小単位」として使います。短時間の運動でも、気分や認知機能などに一時的な変化が生じる可能性は研究されていますが、効果には個人差があります。
1分動いたあと、続けられそうなら数分延長し、疲れが強ければそこで終えて構いません。
Q. 疲れている日におすすめの運動は?
疲労が強い日は、負荷の低い動きから始めるのがおすすめです。
例えば、
- スロースクワット
- その場での足踏み
- かかとの上げ下げ
- 軽いストレッチ
などです。
目的はトレーニングではなく、「まず体を動かし始めること」です。
Q. 仕事後に運動する気力がないときは?
最初から20〜30分の運動を目標にする必要はありません。
帰宅して靴を脱いだらスクワットを数回する、パソコンを閉じたら1分だけ足踏みするなど、すでにある行動に短い動きを紐づけておくと始めやすくなります。
1分動いたあと、続けるか休むかはその日の状態で判断してください。
まとめ|疲れている日は「1分だけ動く」
疲れて運動できない自分を、責める必要はありません。
「運動する」か「しない」かの二択ではなく、「1分だけ動いてみる」という選択肢を持っておくことができます。
1分で疲労が治るわけではありませんが、体を動かすことで、座りっぱなしの状態から一度抜け出すきっかけにはなります。
そこから続けるかどうかは、その日の体調次第で決めて構いません。
今日、帰宅して靴を脱いだら、まず1分だけ、スクワットや足踏みを試してみてください。
整え男子の秘密基地では、30代男性の仕事や日常のコンディションを整えるための情報を紹介しています。
運動で体を動かす「動」。
睡眠や集中力を整える「静」。
食事や身だしなみなど、毎日の土台を整える「BASE」。
どれか一つだけではなく、その日の自分に必要なところから少しずつ整えていく。そんな使い方をしてもらえればと思っています。
調子が出ないときは、またこの秘密基地に戻ってきてください。
*この記事は「整え男子の秘密基地」の一部です。
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参考文献
*1 Basso, J. C., & Suzuki, W. A. (2017). The Effects of Acute Exercise on Mood, Cognition, Neurophysiology, and Neurochemical Pathways: A Review. Brain Plasticity, 2(2), 127–152.
*2 Yu-Kai Chang, Fei-Fei Ren, Ruei-Hong Li, Jing-Yi Ai, Shih-Chun Kao, Jennifer L Etnier (2025). Effects of Acute Exercise on Cognitive Function: A Meta-Review of 30 Systematic Reviews With Meta-Analyses. Psychological Bulletin, 151(2), 240–259.


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